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2025.09.10

じぶんの花を

こんにちは、CGプロデューサーの大田です。 

テレワークになって始めた趣味によく園芸があげられます。観葉植物や樹木、野菜などなどがよく見られます。
私もそのうちの一人で妻の趣味だった園芸を横から強奪してはまりました。

最近はドライフラワーにすることを目的として年間の計画を立てながら草花を育てています。ドライフラワーといっても色々な手法があります。ハンギング、グリセリン、シリカゲル、ドライインウォーターなど。
その中でも比較的省スペースでも育てられるパンジーのドライフラワーの作り方をとおして1年間の作業内容を紹介したいと思います。

※本記事は2022年3月にスパイス社内報に掲載されたものです。


種の入手(7月)

ホームセンターや園芸店で苗を買うと一鉢100~500円くらいします。
大体50株くらい育てたいので苗を買うとコストがかかってしまいます。ですので育種家から取り寄せるのが非常にコスパがいいです。

ちなみに種苗法という法律があり、種にも知的財産権で守られていますので育てて売ったりはできません。あくまで自分で楽しむことを目的とします。



種まき(8月)

さていよいよ種まきです12月に咲かせるためには8月末には植えてしまいます。
ただ発芽温度は15~20度なので外に置いておくと暑すぎます。ですので保冷剤などを使用して温度管理をします。

パンジーは好光性種子ではないので種まきは真っ暗な箱の中でも発芽してくれます。種まきはセルトレイという小さいたくさん穴の開いたトレイを使用し、土は種まき用土を使用します。普通の培養土だと栄養分が多すぎて発芽しにくいので栄養分の低い土を使います。

私はバーミキュライトをさらにブレンドして使っています。この時点では200粒くらい種まきをしています。水は発芽まで切らさないようにすこしトレイを浸しながら発芽させます。



発芽(9月)

発芽したあとは光合成をさせないと徒長してしまいひょろひょろな苗になってしまいます。
ただまだ外は暑すぎるので明るい窓辺でエアコンをつけながら管理します。電気代との戦いです。セルトレイの中で根がしっかり回るまではここで育てます。

基本植物の栄養はリン、カリ、窒素が主成分です。根をよく育てるためにはカリの強い液体肥料を薄めて成長を促します。



ポット上げ(10月)

しっかりと苗が育ってきたら3.5号のポットに植え替えます。

ここでは市販の培養土に元肥と害虫予防の薬を入れてたものを使用します。ここでも根がポットに回るまでしっかり育てます。
いきなり大きな鉢に上げると水が乾かず根腐れや病気になる可能性が高いので少しづつ大きな鉢に上げていきます。この時点で1ポットに2株づつ100株ほどに選別をします。



鉢上げ(11月)

しっかりと苗が育ったらいわゆる植木鉢に植え替えます。

冬の植物は病害虫の影響を受けにくいのでぎゅうぎゅうに寄せ植えしてもしっかりと育ってくれます。ここで50株程度に選別していきます。
ドライフラワーにはしませんが他の植物との相性ともいいので寄せ植えにするととても綺麗です。

パンジーは背の低い横に広がる植物なので線系の草花や背丈の低い草花などバランスを考えて植え付けると成長しながらもバランスよく育ってくれます。
アリッサム、ネメシア、アネモネ、ストック、ワイヤープランツ、ヒューケラなどは相性がいいと思います。

植え付け時には花を一度全て摘んでしまい栄養分を株に集中ささせます。もったいないとは思わずにここで一度摘んでおくことでのちのち沢山の花を咲かせてくれます。市販の培養土に赤玉を三割ほど追加して水はけをよくした土に元肥をいれて植え付けます。
この時期は10日に一回程度液体肥料と微量元素を含む活力剤を与えることで冬に向けた体力をしっかりと蓄えてくれます。



収穫~シリカゲル(12月~4月)

うまく成長できていれば12月には花が咲きます。種まきが遅いと冬の寒さで成長がとまり、花が咲くのが2月とかになることがあります。なので真夏に発芽させることが非常に大事です。また八重咲の方が一重咲より成長が遅い傾向にあります。

植物は花を咲かせることに莫大なエネルギーを使います。ですのでドライフラワーのついでにもう一度全部の花を切ってしまうとそのあとまた沢山の花が咲いてくれます。
花をとるときは根本から取らないと残った茎が腐って病気になる可能性があるので注意してください。生のパンジーはドライフラワー以外にも一輪挿しやコップに水を張って浮かべるだけでトイレや洗面所が華やかになります。

さてドライフラワーにするには乾燥剤に2週間ほど埋めてあげます。
タッパーなどにドライフラワー用のシリカゲルを敷き詰めてその中に入れるだけでできてしまいます。シリカゲル法はバラやトルコ桔梗などにも向いています。

使ったシリカゲルはもう一度フライパンで熱することで再利用できますがフライパンは傷だらけになりますのでシリカゲル用に1つ用意することをお勧めします。



飾り付け

出来上がったドライフラワーをシリカゲルから出すときは崩れやすいので注意が必要です。でも化石の発掘のようにきれいな状態で取り出せると感動します。ドライフラワーは崩れやすいので定着剤などで保護をしてあげると長持ちします。ドライフラワーは1、2年の寿命なのでできるだけ色落ちさせずに長持ちさせられるといいですね。

出来上がったドライフラワーは筆などで丁寧にシリカゲルを落とし飾ってあげます。飾り方はアイディア次第で可能性は無限大です。

シリカゲルでドライにすると色や形がきれいに残ります。
まるで生花のような色合いを保てますので様々な用途に使えると思います。

他にもいろんな花をドライフラワーにすることができますのでドライフラワーを組み合わせて飾るのもお勧めです。



育種(4月~5月)

春を過ぎると徒長して間延びしてきます。

パンジーの季節が終わる前には花を咲かせきって種を収穫しておくとまた来年育てることができます。
種は小さく飛んでいきやすいので小さな袋を花に被せて収穫します。ただ交配された種は親株からしか種が採れない場合があり、自分で採った種からまた同じ花が咲かない場合もあるので注意が必要です。
でもそれも含めて楽しみとすれば永遠に楽しめます。

そのうち交配の勉強をしてオリジナルブランドを作ってみたいなと思う今日この頃。



土壌改良(6月~8月)

使い終わった土は栄養分が失われ病気や虫の卵などが混入します。
再利用するために夏の日差しを使って殺菌し、失った栄養を土壌改良剤を使って戻していきます。

土は自治体によっては処分しにくいので再利用することでずっと使うことができます。


どうでしたか?みなさんやりたくなってきましたね。

1つの植物だけでもやる事が一年通して目まぐるしく変わります。バラなんか育てたらもっとやる事沢山です。ただ手がかかればかかるほどかわいいものなんです。そしてこんなに育てた花たちもコロナのせいで誰にも見せずに独り占めです。

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