
フォーカス!制作会社のお仕事 vol.01
こんにちは!SPICE BASE編集部です。
今回から始まるSPICE BASEオリジナル記事『フォーカス!制作会社のお仕事』では、「何となく知ってるけど、深くは知らない制作会社のお仕事(職種)紹介」をテーマに、スパイス社員にインタビューしていきます。
一緒にお仕事をしていくうえで、「あ、この人はこういう役割なんだな」と分かっていれば、案件の進行もちょっとだけスムーズになるかも……?
記念すべき第一回は、アートディレクターのお仕事について紹介します。「デザイナーのリーダー的立場」に留まらない仕事内容について、アートディレクターの森本さんにくわしくお話を聞いてみました!
【自己紹介】

2007年、スパイス入社。デザイナーとして代理店案件を担当し、2016年ごろから直クライアント案件をアートディレクターとして担当。
昨年からゴルフにはまって、週末は毎週朝から練習場に通っています。日々の運動不足解消
と、何気に生活リズムも整えてくれるのにも役立っていますね。
アートディレクターの主な役割について
——まずは、アートディレクターのお仕事について、デザイナーとの違いを踏まえながら教えていただけますか?
たとえば、広告制作におけるデザイナーは「どういった面白いアイデアを、どうやってカッコよくデザインで見せるか」を突き詰める、言わば職人のような存在だと思います。
一方で、アートディレクターは「クライアントの要望を叶えるには、こういった表現やメッセージにしよう」だったり、「この案は面白いけど、今回の要件からは少しずれてるよね」など、もう一歩引いた視点を持ってデザインの方向性を決めていく現場監督のような存在だと思っています。
——なるほど、分かりやすいですね!クライアントの要件に応じて、一歩引いた視点でデザインを見るということは、デザイナー以外の職種ともやり取りが多いのではないでしょうか。
他スタッフとのやり取りで言うと、まず案件が立ち上がった際に、複数の職種で構成されるチームメンバーと「今回はどんな方向性で、何をどう制作するか」という方向性を話し合います。その方向性に沿ってデザイナーと一緒にデザインを行い、チームに共有し、意見をもらいながら進行するというのが基本的な流れです。
さらに、Web案件であればWebディレクター、映像案件であれば映像ディレクターとタッグを組んで、グラフィックと連動したクリエイティブを各々の媒体用に制作します。
私の担当している案件では特にコピーライターとのやり取りが多く、クリエイティブの根幹の部分から具体的な表現まで、密に連携しながら進めることがほとんどですね。
アートディレクターとして大変なことと、やりがいについて
——責任も増えるので大変な瞬間も多いかと思うのですが、特にどんなところが難しいと感じていますか。
アートディレクターになると、クライアントと直接やり取りする機会が増えてきます。そうなると、先方の考えや社内事情にも寄り添いながら仕事を進めることが大切ですよね。同時に、ほとんどのアートディレクターはデザイナー出身だと思うので、デザイナーが自分のアイデアにこだわる気持ちも分かるんです。
両方の想いを汲み取りつつ、ときに厳しい判断をくだしながら、ベストなものをつくっていくことは難しいなと感じています。
——なるほど。一方で大変な分、やりがいや喜びも大きいのではないでしょうか。デザイナー時代とは、また違った感じ方があるのではないかと。
そうですね!アートディレクターになってからは、さまざまな条件がある中でチームとしてどれだけベストなものを制作できたか、クライアントをどれだけ満足させ信頼を勝ち得たかといった、大きなやりがいを実感することが増えたと思います。
デザイナー時代のやりがいは、どれだけ自分の考えたアイデアが採用され、携わったデザインが世の中に出ていくかにありました。ただ、今でも自分でデザインを考えるので、「他の人に負けたくない!」という気持ちは全然残っているんですけどね(笑)。
これからのアートディレクター像と目標について
——最後に、これからのアートディレクターという職業に求められることや、森本さん個人の目標についてお聞きしてもよろしいですか。
これからのアートディレクターは、「アート(デザイン)」だけのディレクターでは成り立たないと思っています。スパイスが受注している案件としても、グラフィック単体の案件は減っていますし、コピーライティングやWeb、映像などの領域や媒体を超え、一貫したクリエイティブとして捉えられる視点が求められていると感じています。
個人的には、ここ数年ブランディング案件をよく担当しているのですが、その中で「言葉」の重要性を強く感じる場面が多く、コンセプトやメッセージなど、デザインに入る前の核となる部分でのディレクションができるディレクターとなっていきたいと思っています。

いかがでしたでしょうか?
デザインを中心としながら、多角的に案件に関わるアートディレクターのお仕事。個人的には、「デザインの仕事って、ほぼコミュニケーションでできているんだな」と、強く感じたインタビューになりました。
それでは『フォーカス!制作会社のお仕事』、次回もお楽しみに!